一般相対性理論を一歩一歩数式で理解する(第4章 特殊相対性理論 §7~)

    石井俊全「一般相対性理論を一歩一歩数式で理解する」ベレ出版 の読後行間補充メモ

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(→ 事項索引


§7 ミンコフスキー空間 



p333

 |ab|2=t(ab)(ab)
例えば、A=(xyz)について、tAA=(x, y, z)(xyz)=x2+y2+z2=|A|2となる関係を用いている。

p334 ローレンツ変換の不変量

添え字 i, j
{i=0,1,2,3j=0,1,2,3の変数をとるとき、ηij は、i=j のとき、{η00=1η11=1η22=1η33=1であり、i=j のときは、ηij=0 である。
よって、定理4.05の末尾式の右辺は、
ηijaibj=η00a0b0+η11a1b1+η22a2b2+η33a3b3=a0b0+a1b1+a2b2+a3b3と変形できる。
左辺も同様である。
すなわち、定理4.05の末尾式は、定理4.05の末尾2行目の式と同値である。
よって、定理4.05の末尾2行目の式が成立することを示すことができれば、定理4.05の末尾の式[ローレンツ変換における内積の不変]ηijaibj=ηijaibjが成立することを示したことになる。

p335~p336 証明の全体構造

定理4.05の末尾2行目の式の左辺は、以下のように、同右辺へと変形できる。a0b0+a1b1+a2b2+a3b3=(a0, a1, a2, a3)(b0b1b2b3)=(a0, a1, a2, a3)(1111)(b0b1b2b3)=ta η b=ta tΛ η Λb=ta η b=(a0, a1, a2, a3)(1111)(b0b1b2b3)=(a0, a1, a2, a3)(b0b1b2b3)=a0b0+a1b1+a2b2+a3b3すなわち、以下の等式が成立する。a0b0+a1b1+a2b2+a3b3=a0b0+a1b1+a2b2+a3b3これを、縮約記法で表現すると、以下のようになる。ηijaibj=ηijaibjよって、定理4.05の末尾の式[ローレンツ変換における内積の不変]が成立することが示された。

p335 2行目

 ta=ta tΛ
転置行列の公式t(AB)=tB tAより、p334 定理4.05の前提式から、a=Λata=t(Λa)=ta tΛが導かれる。

p335

 tΛη
Λ の転置行列tΛは、Λ に等しいので(p332)、tΛ=ΛtΛη=Λη=(γγVxcγVycVzcγVxc1+(γ1)Vx2V2(γ1)VxVyV2(γ1)VzVzV2γVyc(γ1)VxVyV21+(γ1)Vy2V2(γ1)VyVzV2γVzc(γ1)VxVzV2(γ1)VyVzV21+(γ1)Vz2V2)(1000010000100001)=(γγVxcγVycVzcγVxc1+(γ1)Vx2V2(γ1)VxVyV2(γ1)VzVzV2γVyc(γ1)VxVyV21+(γ1)Vy2V2(γ1)VyVzV2γVzc(γ1)VxVzV2(γ1)VyVzV21+(γ1)Vz2V2)である。
3~4行目は、4×4 行列と4×4 行列の積を実行している。
例えば、(0, 1) 成分(=1行目の2列目成分のこと。本書では0からカウントしている)であれば、Λj0 η1i=(γ, γVxc, γVyc, Vzc)(0100)=γ×0γVxc×1γVyc×0Vzc×0=γVxcと計算される。

p335

 tΛηΛ=η
tΛη の計算結果は、上述のとおりである。
よって、tΛηΛ は、2つの行列
tΛη=(γγVxcγVycVzcγVxc1+(γ1)Vx2V2(γ1)VxVyV2(γ1)VzVzV2γVyc(γ1)VxVyV21+(γ1)Vy2V2(γ1)VyVzV2γVzc(γ1)VxVzV2(γ1)VyVzV21+(γ1)Vz2V2)
Λ=(γγVxcγVycVzcγVxc1+(γ1)Vx2V2(γ1)VxVyV2(γ1)VzVzV2γVyc(γ1)VxVyV21+(γ1)Vy2V2(γ1)VyVzV2γVzc(γ1)VxVzV2(γ1)VyVzV21+(γ1)Vz2V2)の積を計算すれば求められる。
例えば、(0, 0) 成分(=1行目の1列目成分のこと)であれば、(tΛ ηΛ)00=(γ, γVxc, γVyc, Vzc)(γγVxcγVycγVzc)=γ2+(γVxc)2+(γVyc)2+(γVzc)2=γ2(1(Vxc)2(Vyc)2(Vzc)2)=γ2(1(Vx)2+(Vy)2+(Vz)2c2)=γ2(1(V)2c2)=(11(V)2c2)2(1(V)2c2)=11(V)2c2(1(V)2c2)=1と計算される。
すなわち、tΛηΛ=(1)として、(0, 0) 成分が求められた。