一般相対性理論を一歩一歩数式で理解する(第1章 数学の準備)
石井俊全「一般相対性理論を一歩一歩数式で理解する」ベレ出版
のなす角度を とすると、両ベクトルの内積が のとき、
これは、同頁3行目のように、 の1行目成分と一致する。
ここで、 なので、与式は、 となる。
座標における点 の座標値が であるとき、 を同座標で表わすと、
の内積は、 の転置行列 と の積は、
どうしのなす角度は0度であるから、 どうしの内積は、 よって、ベクトルの大きさは、 として内積の平方根で表わされる。
軸の方向の速さ についても、同様。
この行列の1行目は、 行列の2行目は、 行列の3行目は、 したがって、行列全体は、
となる。ここで、p39 の式 を用いると、与式は、 となるので、 のときに最大値 をとる。
は、第1項が の関数となり、第2項及び第3項は との関係では定数であるから、 の原始関数を とすると、
同様に、
なので、p83 末尾行の前半括弧部分は、 となる。ここで、 の原始関数を考えるに、 であるから、与式(p83 末尾行の前半括弧部分)は、以下のようになる。
において、 となる を考えると、
よって、
において、 となる を考えると、 よって、
において、 であるので、与式は、 となる。ここで、置換積分をするため、 とおくと、 であり、また、 のとき、 と変化するから、与式は、以下のように解を得られる。 なお、明示の置換積分をしない場合でも、 であることから、与式は、以下のように変形して、同じ解を得られる。
の二重積分を、 と表記している。
のとき、これを閉空間で積算しても、 であるから、 が成立する。ガウスの発散定理より、 が成立するので、 となる。ここで、左辺を、閉曲線 で上下に分割すると、 となり、上下の曲面にかかる面積分は、値が等しい。
となる。
と置くと、 の微分 は、関数の積の微分公式(p26) を用いて、以下のように変形できる。 ここで、右辺第2項の偏微分の部分は、 となるので、 は、以下のとおり整理できる。
これらの3式を合計すると、 となる。
と置くと、 の微分 は、 が との関係では定数であるから、以下のようになる。 ここで、偏微分の部分は、 となるので、 は、以下のとおり整理できる。
は、 に関して同じ形をしているので、 上式から下式を引くと、 同様にして、 これら3式をまとめると、
とおくと、 と変形できる。
と同様の計算で、 が言えるので、これら3式をまとめると、
上の では、 なので、
同様に、
を で偏微分すると、 は、 との関係では定数であるから、 これを更に で偏微分すると、 は、 との関係では定数であるから、 となっている。同式を、 で積分すると、右辺は定数とは限らず、 との関係で定数となるような関数 も含まれる。 の特殊形のひとつが定数であるので、一般に、 で積分後の右辺を表記できる。
とおくと、 ここで、 なので、与式は、 となる。
とおくと、 ここで、 なので、与式は、 となる。
は平面であり、 は空間を指す。
とおくと、 となるところ、このうち、前半部分( による偏微分の箇所)は、ルートの中を と置いて整理すると、以下のようになるので、 与式は、 となる。
ここで、 を考えると、与式は、
の左辺にある演算子は、p203 のダランベルシアン
は、 との関係では定数であること、及び式1.19の結果から、
同様に、 にかかる展開結果は、 となり、同様に、 にかかる展開結果は、 となる。一方、 にかかる展開結果は、以下のようになる。
内にある関数 は、3つの変数 からなる3変数関数であるが、2変数 が の関数であることから、 による の偏微分は、2変数関数の合成関数の微分の公式 を用いて(同公式の証明についてKIT数学ナビゲーション)、以下のようになる( の括弧内表記は省略)。 ここで、 であり、 であるから、上記 の による偏微分は、 となる。
ここで、 は、 による偏微分との関係では定数であるので、与式は、
ここで、 は、 による偏微分との関係では定数であるので、与式は、
の場合、走る添え字( )の組合せは、添え字の変化幅が、p118のとおり2種類(1または2)の場合、以下の4( )通り。
の読後の行間補充メモ
(→正誤表)
(→事項索引)
§1 ベクトル積
p21
p21 直交性
p23
p23
§2 微分の方程式
p26~p27 の 成分(1行目成分の趣旨)
p28 の微分
§3 3次元の座標変換
p31
他方、 を 座標で表わすと、
p33 直交変換と内積保存
p33 ベクトル の大きさ
§4 スカラー場、ベクトル場のイメージ
p35 速度ベクトル
例えば、 は、 軸方向の速さ を示す。
その値が、座標 ( )によって異なるので、 は、3変数 の関数である。
§5 勾配
p36 の勾配
p40 の性質
与式を、2つのベクトル 及び
の内積と捉えて式変形をすると、両ベクトルのなす角は、 であるから、
§6 発散
p41
ナブラ を、以下のように捉えると、
発散は、ナブラ とベクトル の内積として把握される。
§7 回転
p55 転置行列
一般に、行列 に対して公式 が成り立つ。2行2列行列の場合として、 を考えると、公式の左辺は、 となり、公式の右辺は、 となり、確かに、左辺と右辺が等しい。
p55
§8 勾配、発散、回転の公式
p64 ラプラシアン
本書での記号は、
他の表現としては、
§9 ポテンシャル
p65
§10 スカラー場の線積分
p69 曲線の弧長
三平方の定理より、微小三角形の各辺 について、 の関係が成立するから、この両辺を で積分すると、 となり、パラメータ を から へと変化させた場合の曲線の弧長は、この定積分として、以下のようになる。
p70 の微分
§11 ベクトル場の線積分
p71 曲線
三次元上の曲線 を想定。
§12 曲面の面積
p79 の偏微分
p83 3~4行目
p83 末尾行
において、 となる を考えると、
§13 ベクトル場の面積分
p84 ベクトル場の面積分
p86 2~3行目 の積分
p86
p87
p87
p87
p89 法線ベクトル
p89
p90 三角形
p91 面積分 、体積分
p93 領域 の境界
領域 の 軸方向から見た接線ベクトルは、 同様に、 軸方向から見た接線ベクトルは、 よって、両接線ベクトルの外積は、 となる。右手系の座標系において、この外積の方向は、p21 のとおり両接線ベクトルに直交し、かつ、右ねじの進む方向であるので、法線ベクトル の方向と同じである。
p93
p94 のとき面積分は一定
§14 逆2乗法則についての計算
p95
ここで、
であるので、 である。よって、
p96 の による偏微分
p96
上述のとおり、 と置くと、 と整理できる。 は、 に関して同じ形をしているので、 と置くと、以下のように整理できる。
p96 の による偏微分
p96
p97
そして、 の 成分 は、 なので、 である。
p97
p97
ラプラシアン の定義(p61)より、 また、上述のとおり、 であるから、 となる。ここで、上述(p96)のとおり、 であるので、 が成立する。
p97 の面積分( が を含むとき)
半径 の球の表面積は、 なので、
p98 の面積分( が を含まないとき)
ガウスの発散定理(公式1.33(91頁))より、 ここで、右辺の被積分部分は、公式1.35(95頁)より、 である。よって、その領域 内の体積分の値 も、0である。
§15 波動方程式
p99 末尾2行目 二変数関数の偏微分
p100~101 の積分
p101
同式の は縦軸の趣旨。
p99 で変数変換をした とは無関係。
p102 の 二階微分
同様に、 の 二階微分、 の 二階微分も、以下のようになる。
p102 の 二階微分
p102~p103
図形的には、 なので、 の 軸への影。
§16 ポアソン方程式
p104
p106 の 偏微分
p106 の 2階偏微分
1階偏微分の結果を用いると、 である。ここで、 とおくと、上記式の より右側は、 となるところ、同式における 部分は、以下のようになるので、 結局、与式は、 となる。
p106 ラプラシアン
ラプラシアン の定義(p58)より、
p107 微小立体図形の体積
半径 の微小変化を と表現すると、 弧度法では半径 とラジアン角をかけたものが円弧の長さなので、角度 の微小変化を と表現すると 三角形 において、 なので、半径 の円において微小角度 に対応する円弧 の長さは、 となる。
よって、微小立体図形の体積は、これを直方体と考えて、
p107 球座標と直交座標
微小立体図形で 内の全領域を埋め尽くすことを考えると、球座標 を各々 の範囲内で動かして、微小立体図形の個別体積 を足し上げていけば、 の体積となる。すなわち、 の体積は、球座標 を用いて、 と表される(1行目[重積分]を2行目[1変数積分の積]のように変形し得ることにつき高校数学の美しい物語「重積分の計算方法と例題3題」参照)。
これは、直交座標 による体積分 と等しい筈であるから、 とし得る。
p107 の符号
p106 で求めたとおり、 p105 のとおり、 は、 であり、 を考えるので、与式は、 となり、全体の符号は負となる。
p107 左辺
p107~108
p104 のとおり、 は、 を中心とした半径 の球であるから、 のとき、 となり、球体 は小さくなる。
このとき、 となっているから、 となる。
p107 のとおり、 での の最小値を 、最大値を としているので、 すなわち、 のとき、 が成立する。
この式とp107末尾2行目の式 とを比較すると、 のとき、 となることから、 が成立している。
p108 波動方程式
p109 領域
領域 の外側 ( )では、
であるので、式1.18の第2項の分母
は、0とならず、第2項は非積分関数が発散しない。
p109 の 偏微分
*上付き文字 等は、下付き文字 等で表記した。
*計算過程で、 とおいた。
* を用いた。
p109 式1.20赤字注 の 微分
p109 式1.21 の 微分
p110 式1.22 1~2行目
式1.21の結果から、 となり、これに、p26の関数の積の微分 を適用すると、p110 の2行目の式となる。
p110 式1.22 2~3行目
2行目第1項は、以下のとおり変形し(微分の順序を入れ替えて、式1.21の結果を適用)、3行目第1項となる。
p110 の2階微分
p110 赤字部分(公式1.35の を計算するときの要領)
* を用いた。
p110 最終行第2項への式変形
p111 式1.18の第2項
式1.18の第2項の被積分関数 について考える。109頁のとおり、 と表記することにすると、与式は、ラプラシアン の定義に従い、以下のような内容となる。 ここで、 にかかる展開結果は、以下のとおりである(110頁の末尾)。
p112 1~2行目
積分される には、 が含まれていないので、その定積分には、 は反映されない(定積分の計算で、同じ値が+と-されるため)。
波動方程式の特殊解(証明)の全体枠組み図解について、「ポアソン方程式(Poisson's equation)と波動方程式(wave equation)」2(2)
p112 3行目
定理1.39と同じ論法=p107~108 の最少値と最大値の挟み込みの無限収縮。
§17 変分法
p115 微分と積分の順序の交換
p19 のとおり、微分と積分の順序は常に交換可能とする前提。
p115
よって、これを の範囲で定積分したものは、 である。
p115 部分積分
ここでの部分積分は、 として式変形をしている。
p116 汎関数 が極値を採るときの
汎関数 が極値をとるときの を と置いているので(p114)、 は、 のときに に対する変化率 が となる。すなわち、p116 の第1行目 の右辺で としたものが、0となる。 は任意の式なので、 の被積分関数に としたものが、0である必要がある。
p117
p117
§18 アインシュタインの縮約記法
p119 アインシュタインの縮約記法
- 走る添え字 …変化させたものを合計する(一つの式)。
- 止まっている添え字 …場合分けをする(複数の式)。
止まっている添え字 の組合せは、添え字の変化幅が、p118のとおり2種類(1または2)の場合、以下の8( )通り。
以上を踏まえると、 となる(走る添え字に関し1行目で 、2行目で について場合わけをして合計。止まっている添え字に関し3行目で 、4行目で 、最終行で について場合わけをして式を分けた)。
p120 縮約記法と行列
成分 は、行列の 行目の 列目の成分。すなわち、
p121 成分( 行目の 列目の成分)が である行列は単位行列
例えば、3行×3列の場合、