高校数学でわかる半導体の原理

竹内淳著「高校数学でわかる半導体の原理」講談社(2007/3/21)

https://www.amazon.co.jp//dp/4062575450



p17 波長、振動数、速さの関係

電波の波長λ、振動数ν、速さc

λν=c

p17 距離分解能と波長

https://www.marubun.co.jp/service/technicalsquare/a7ijkd000000e1g3.html

(ミリ波レーダの基礎:MARUBUN)


p19 抵抗率

銅…1.7×106[Ω cm]

シリコン…103[Ω cm]

ガラス…1012[Ω cm]


p26 波長より短いものを空間的に識別することはできない

https://www.olympus-lifescience.com/ja/support/learn/03/045/

(顕微鏡の能力 その1 ~分解能と倍率~:OLYMPUS)


p39 光のエネルギー

光のエネルギーE、プランク定数h、振動数ν光速c、波長λ

E=hν=hcλλ=hcE=6.626×1034[m2kg/s]×2.998×10108[m/s]1.602×1019[eV]=1.239×106[Js×m/sJ]=1.239[μm]


p40, 53, 56 電子の運動エネルギーE

質量m、速さv、運動量pとして、E=12mv2=12m(pm)2=p22mこれに量子力学上の知見であるp=hλ=h2π2πλ=kを代入すると(プランク定数h、波長λ、波数k、ディラック定数)、E=12m(k)22mE2=k2k=2mE

p56 波数ベクトル

波数ベクトルk の絶対値

波数ベクトルk=(kx,ky,kz)x,y 平面における長さは、三平方の定理により、kx2+ky2これと線分kz とが作る斜線の長さが、波数ベクトルkの長さであるから、|k|=(kx2+ky2)2+kz2|k|2=kx2+ky2+kz2

p59 式{}内の近似

=(E+ΔE)E(1+12ΔEE)EE=EE+EE12ΔEE+ΔEE+ΔEE12ΔEEEEの下線部分は微小なΔE を二回乗じた項であり0に近似できるので、EE+EE12ΔEE+ΔEEEE=EE12ΔEE+ΔEE=12EΔE+EΔE=32EΔE

p60 電子の状態密度

単位体積当たりの電子の状態密度De(E) [状態数/m3]

De(E)=12π2(2m)E

グラフのイメージ(m=9.10×1031[kg], =1,054×1034[Js]


p62 粒子の存在確率

エネルギーE を持つ粒子が存在する確率f(E)

f(E)=eEkBT

グラフのイメージ(T=300

(10231019で代替描画)


p64 フェルミ粒子の存在確率

エネルギーE を持つフェルミ粒子(例:電子)が存在する確率f(E)

f(E)=11+eEEFkBT

グラフのイメージ(EF=0.2, T=300

(10231012で代替描画)


p70 電子の状態密度

単位体積当たりの電子の状態密度De(E)

De(E)=12π2(2m)EEc

グラフのイメージ(m=9.10×1031[kg], =1,054×1034[Js], Ec=2[eV]



p72 フェルミ・ディラック分布からマクスウェル・ボルツマン分布への近似

EEFkBTEEFkBT1eEEFkBT1であるとき、

電子の存在確率f(E)は、f(E)=11+eEEFkBT1eEEFkBT=eEEFkBTと近似される。

同様に、ホールについて、EFEkBTEFEkBT1EEFkBT1eEEFkBT1であるとき、

ホールの存在確率1f(E)は、1f(E)=111+eEEFkBT=1+eEEFkBT11+eEEFkBT=eEEFkBT1+eEEFkBT=11eEEFkBT+1=1eEEFkBT+11eEEFkBT=eEEFkBT=eEFEkBTと近似される。


p73 伝導体中の電子密度 n

電子の存在確率は、上記の近似式(マクスウェル・ボルツマン分布)を用い、状態密度Deは、上記のDe(E)=12π2(2m)EEcを用いる。このとき電子密度nは、

n=ECf(E)De(E)dE=ECeEEFkBT12π2(2m)3EECdE=ECeEFkBTeEkBT12π22m2m3EECdE=eEFkBTECeEkBT12π22m2m(h2π)3EECdE=eEFkBTECeEkBT12π28π3h32m2mEECdE=eEFkBTECeEkBT8πh3m2mEECdE=8πh3m2meEFkBTECeEkBTEECdE=82πh3m32eEFkBTECEECeEkBTdEとなる。


p73~74 変数変換

x=EECkBTとおき、両辺をEで微分すると、dxdE=ddEEECkBT=ddE(EkBTECkBT)=1kBTkBT dx=dEとなり、p74の式のdExの式で置換できる。また、x=EECkBTkBTx=EECkBTx=EECとなるので、p74の式のEECxの式で置換できる。更に、x=EECkBT=EkBTECkBTxECkBT=EkBTとなるので、p74の式のEkBTxの式で置換できる。

なお、Eが積分範囲である、E:ECにて変化するとき、変数xは、x:ECECkBT=0ECkBT=のように変化する。これらの処理を同時におこなうと、ECEEC eEkBT dE=0kBTx exECkBTkBT dxとして変数変換ができる。


p80 フェルミエネルギー

フェルミエネルギーEFの位置

伝導体の電子数nと価電子帯のホール数pが等しいので、n=pNCeECEFkBT=NVeEFEVkBTloge(NCeECEFkBT)=loge(NVeEFEVkBT)logeNC+logeeECEFkBT=logeNV+logeeEFEVkBTlogeNCECEFkBT=logeNVEFEVkBTlogeNCECkBT+EFkBT=logeNVEFkBT+EVkBTEFkBT+EFkBT=EVkBT+ECkBT+logeNVlogeNCEF+EF=EV+EC+kBT logeNVkBT logeNC2EF=EC+EV+kBT logeNVNCEF=12(EC+EV)+12kBT logeNVNCとして、フェルミエネルギーEFの位置が求められた。ここで、NVNC=2(2πmnkBTh2)322(2πmekBTh2)32=(mhme)32loge(NVNC)=loge(mhme)32=32(mhme)32なので、EFの式は、EF=12(EC+EV)+12kBT 32loge(mhme)=12(EC+EV)+34kBT loge(mhme)12(EC+EV)となり(∵第1項第2項)、フェルミエネルギーEFが、伝導体の底のエネルギーECと価電子帯の頂上のエネルギーEVの中間値であることが確認できた。


p87 フェルミ・ディラック分布の式 

f(E)は、p64 のフェルミ・ディラック分布の式


p88 ドナー密度

飽和領域のドナー密度ND

価電子帯からの励起は無視できるほど小さいが、ドナー準位の電子はほとんど全てが励起されるような温度領域を考えると、n=ND


p89 ドナー密度の計算

ドナー密度NDの式変形は、p73~p74 と同じ。


p107 電子の増加個数(毎秒)

 左辺の次元は、電子密度n[/m3] に体積S dx[m3] を乗じたもの(=電子増加個数)の単位時間あたり変化[個/s]。右辺の第1項と第2項は、電流JS を電荷e で除したもの(=1秒あたりの電子増加個数[個/s])、第3項は、単位体積あたりの毎秒の減少電子数Rn[/sm3] に体積S dx[m3] を乗じたもの(=1秒あたりの電子減少個数[個/s])


P121 ポアソン方程式(1次元)

電荷密度ρが場所xに依存しない場合(ρ=const.)、ポアソン方程式d2dx2ϕ(x)=ρ(x)εの右辺は定数となるから、ϕxの3次以上の式であると、その2階微分である左辺はxの変数となってしまい、右辺が定数であることと矛盾する。よって、ϕ(x)xの2次以下の式である必要がある。これをϕ=ax2+bx+cと置くと、ポアソン方程式は、d2dx2(ax2+bx+c)=ρεddx(2ax+b)=ρε2a=ρεa=ρ2εとなり、aが求められる。


p125~131 pn結合

pn接合の各領域の電位ϕ(x)

電位のモデル式ϕ=ax2+bx+cにおいて、領域i=1, 2, 3, 4に対応する係数を、ai, bi, ciで表わした結果は、以下のとおり。


p129 pn境界での電位一致、電界一致

電位のモデル式ϕ=ax2+bx+cxで微分したものが、電界のモデル式E=2ax+b領域2と領域3の境界(x=0の地点)では電位が等しいから(境界条件)、a2x2+b2x+c2=a3x2+b3x+c3が成立する。

同様に、領域2と領域3の境界(x=0の地点)では電界も等しいから、2a2x+b2=2a3x+b3が成立する。

電位・電界の両等式に導出済みのa2, a3を代入すると(x=0が前提)、

eNA2εx2+b2x+c2=eND2εx2+b3x+c32eNA2εx+b2=2eND2εx+b3同式は、x=0のときに成立するので、同条件を代入すると、c2=c3b2=b3が導かれる。


p130 c_2

c2の導出

1行目の式より、c2=b2deNA2εd2=eNAεd2eNA2εd2=eNA2εd2


p130 c_4

c4の導出

3行目の式より、c4=eND2εd2+b3d+c3これに導出済みのb3=eNDεdc3=c2=eNA2εd2を代入すると、c4=eND2εd2+eNDεdd+c2=eND2εd2+eNDεd2+c2=eND2εd2+eNA2εd2となる。


p133 1行目 空乏層の電界

(?)右方向に電界が

(○)右(n型)から左(p型)の方向に電界が


p133~134 擬フェルミ・エネルギー

p型半導体とn型半導体を接合させた場合に、平衡状態では、両者の擬フェルミ・エネルギーが一致する(本書では未証明)。EFp=EFn


p135 pn接合に順方向バイアス

p側に+、n側に-となるような電圧をかける。

→p側の電位V(ひいてはエネルギー準位E=eV)が+側に(図では下側へ)に移動し、n側の電位等が-側に(図では上側へ)移動する。


p138 図版(中央右)

(誤)EF

(正)EFn


p139 電子密度

電子密度nn

(誤)ECn+VDVB

(正)ECn+eVDeVB

1行目から2行目への計算は、本書89頁・73~74頁と同様の計算。

2行目から3行目への積分範囲表示の変更は、本書138頁の式ECP=ECn+eVDeVBによる。


p140 n型半導体

n型半導体の電子密度 nn

2行目から3行目への式変形は本書73~74頁と同様。


p140 p型半導体

p型半導体の電子密度npとn型半導体の電子密度nn

nn=NCeECpEFnkBT=NCeECpEFpEFn+EFpkBT=NCeECpEFpkBTeEFpEFnkBT=npeEFpEFnkBTここで、本書138頁の図解にある、eVB=EFnEFpを代入すると、与式は、nn=npeeVBkBTとなる。


p142 ホール密度

ホール密度p

微分方程式2px2ppnDpτp=0の解法は、要検討。


p143 ホールの拡散電流

ホールの拡散電流I

ホール密度の解p=pn+pnexdDpτp(eeVBkBT1)xで偏微分すると、xp=x(pn+pnexdDpτp(eeVBkBT1))=x(pnexdDpτp(eeVBkBT1))=pn x(exdDpτp(eeVBkBT1))=pn x(xdDpτp(eeVBkBT1))(xdDpτp(eeVBkBT1))exdDpτp(eeVBkBT1)=pn(eeVbkBT1Dpτp) exdDpτp(eeVBkBT1)これに、x=dを代入すると、xp|x=d=pn (eeVbkBT1Dpτp) e0=pn (eeVbkBT1Dpτp)となる。

よって、pn接合のx=dにおける拡散電流Ipは、拡散電流密度J=eDpxp(本書104頁参照)に面積Sを乗じたものであるから、Ip=JS=eDpxp|x=d S=eDp pn (eeVbkBT1Dpτp)S=epnSDp(eeVbkBT1Dpτp)となる。DpτpLpと定義すると、与式は、Ip=epnSDpeeVBkBT1Lpとなる。


p145 ドリフト電流

図上部分のp型からn型部分への流れは電子の流れ(ドリフト電流は矢印が逆)


p151 ショットキー接合への順方向バイアス

金属部分に+、n型半導体に-の電圧を加える。

→n型半導体の電位(及びエネルギー準位)が-へ移動(図では上に移動)


p153 温度上昇の影響

  • 導体  …抵抗率 up
  • 半導体 …抵抗率 down
  • 絶縁体 …抵抗率 down


p218 鏡面反射

鏡面反射では、反射面での入射波と反射波との波高合計が0となるべきなので、反射波の位相がπ変化することとなる。このため、鏡面距離が光の波長の半分の整数倍であるとき、両波は強め合う関係になる。


p225 反射率

光強度の反射率Rは、振幅反射率(電界振幅比)rの絶対値の二乗で表わされるところ、R=|r|2垂直入射に近い場合、フレネルの公式は、以下のように近似されるので(左貝潤一「エッセンシャルテキスト光学」森北出版53頁。添え字のP, Sは光波成分を示す)、rP=rSn2n1n1+n2R=(n1n2n1+n2)2が成立する。


p248 量子井戸の状態密度

半径kの球の表面積は、4πk2

(高校数学の美しい物語)球の体積と表面積を積分で証明