数学検定問題集1級

日本数学検定協会「数学検定問題集1級」創育(2018.2.1 第1版3刷)
https://www.amazon.co.jp/dp/4882299402/


p14 剰余定理


例えば、多項式 P(x)=x2+3x+1 を、(x2) で割った場合の剰余 r は、剰余定理によれば、r=P(2)=22+3×2+1=11として求められる筈である。
実際に、P(x) の割り算をしてみると、P(x)=x2+3x+1=(x2)(x+5)+11となり、商が(x5)で、余りr11 となる。

p14 剰余定理の証明


多項式P(x)(xa) で除したときの商をQ(x) 、剰余をr とおくと、P(x)=(xa)Q(x)+rが成立しているところ、同式で、x=a としてみると、P(a)=(aa)Q(a)+r=0×Q(a)+r=rとなる。よって、r は、P(a)として求められる。

p14 基本対称式

{s1=x+y+zs2=xy+yz+zxs3=xyz

p14 s_1 の三乗


s1 の三乗は、多項定理を用いて、(s1)3=(x+y+z)3=x3+y3+z3+3(x2y+xy2+y2z+yz2+x2z+xz2)+6xyzとなる。

p14 多項定理

(A+B+C++Z)nを展開したときの、ある項Aa Bb CcZzの係数は、n!a! b! c!z!である。
例えば、(x+y+z)3を展開したときの、xyz すなわち、x1 y1 z1の係数は、3!1! 1! 1!=3×2×11=6である。また、x2y すなわち、 x2 y1 z0の係数は、3!2! 1! 0!=3×2×12×1×1×1=3である。また、x3 すなわち、x3 y0 z0の係数は、3!3! 0! 0!=3×2×13×2×1×1×1=1となる。

p14 s_1~s_2

s1 s2
s1 s2=(x+y+z)(xy+yz+zx)=x2y+xyz+x2z+xy2+y2z+xyz+xyz+yz2+xz2=x2y+xy2+y2z+yz2+x2z+xz2+3xyz


p15 複素平面上の三角形

 正三角形は各辺の長さが等しいことから、|γβ||αβ|=1また、正三角形のひとつの内角はπ3 であることから、αβγ=±π3である。複素数の除算により得られた新たな複素数の偏角は、元の2つの複素数の各々の偏角の差であるから、同式は、arg(γβαβ)=±π3のように表現できる。

(参照:複素数の四則演算)
 https://dbkids.co.jp/popimaging/seminar/complex/complexoperation.htm

ここで、ω=γβαβと置くと、上記式より、{|ω|=1arg(ω)=±π3となる。
このω を別の複素数平面に図示すると、以下のように、大きさが 1 (すなわち絶対値を変更しない)、偏角が ±π3 の座標変換として把握できる(±i sin(π3) のうち、i sin(π3) を描画)。

次に、ω2 について検討をする。複素数の乗算により得られた新たな複素数の偏角は、元の2つの複素数の各々の偏角の和であるから、ω2 すなわち ω×ω は、同じ反時計回り方向へのπ3 を2回おこなったもの、すなわち、2π3 回転を意味することになる。
ここで、ω の先端と ω2 の先端と原点との三点からなる三角形を考えると、原点での角の角度差は、π3 であり、また、|ω|=|ω2|=1 であるから、同三角形は正三角形をなす。よって、ω の先端と ω2 の先端とを結んだ辺も他の辺と同様、長さ1 となる。すなわち、以下の図において、|ω2ω|=1 となる。
図から、その正負の符号はマイナスであるから、ω2ω=1 となる。すなわち、ω は、以下の式をみたす。ω2ω+1=0このω を元の表記に戻すと、(γβαβ)2γβαβ+1=0となる。

p16 計算技能問題2


f(x)(2x+3) で割ったときの余りが6 であるから、商をg(x) とすれば、以下の等式が成立する。f(x)=(2x+3)g(x)+6同様に、(3x+7)f(x)(2x+3) で割ったときの余りをr 、商をh(x) とすれば、以下の等式が成立する。(3x+7)f(x)=(2x+3)h(x)+rここで、x=32 を代入すると、上式は、f(32)=(2×32+3) g(32)+6=0×g(32)+6=6同様に下式に、x=32 を代入すると、(3×32+7)×f(32)=(2×32+3)h(32)+r(92+7)×f(32)=0×h(32)+r9+142×f(32)=rr=9+142×f(32)=52×f(32)=52×6=15

p16 計算技能問題4(1)


x24=(x+2)(x2) であることから、与式を、以下のような部分分数の形へと変形することを考える(A, Bは未定係数)。1x24=Ax+2+Bx2右辺は、以下のように変形できるので、=Ax+2+Bx2=A(x2)+B(x+2)(x+2)(x2)=(A+B)x2A+2Bx24与式は、以下のようになる。1x24=(A+B)x2A+2Bx24分子どおしを比較すると、どのような x に対しても、同式が成立するためには、以下の連立方程式を充たす必要があることが分かる。{A+B=02A+2B=1これを解くと、{A=14B=14となるので、与式は、以下の部分分数の形に変形できる。1x24=14(x+2)+14(x2)=14(1x+2+1x2)=14(1x21x+2)

p16 計算技能問題7


複素数 z=x+iy の偏角を θ とすると、複素数の乗算により得られた新たな複素数の偏角は、元の2つの複素数の各々の偏角の和であるから、z2 の偏角は、θ+θ=2θ である。他方、複素数 z の共役複素数 z¯=xiy は、x 軸について z と線対称なので、その偏角はθ である。これらが等しいというのであるから、2θ=θを充たすようなθ を求めれば良い。
そのような θ は、上記図より、θ=23πである。これを複素数で表示すると、z=cos23π±i sin23π=12±i 12(12)21=12±i 34=12±i 32
となる。
このほか、θ が、ちょうど一回転となる場合(θ=0, 2π, 2nπ)も、常に、z2=z¯ となるので、解となる。その複素数表示は、z=1+i×0=1である。更に、z が回転変換ではなく、常に原点(0,0) へと原像を移動させる変換である場合、z¯ による写像も常に原点(0,0) へと原像を移動させるという点で一致することになるので、解となる。その複素数表示は、
z=0+i×0=0である。

p18 例1

関数 f(x)=log10(x) のグラフより、領域1<x において、log10(x) は常に正。
すなわち、0<log102 である。そこで、仮に正の整数 m, n を用いて、log102=nmと表し得るかを検討する(他の場合、すなわち、n=0 の場合は log102=0 となり誤りであり成り立たない。m=0 の場合は0 除算となり定義できないので成り立たない。また、m, n のいずれかが負の整数である場合は log102<0 となり誤りであり成り立たない。m, n のいずれもが負の整数である場合は、いずれもが正である場合の検討で置き換えることができるので、独立に検討する意味がない)。
与式を変形すると、log102=nm2=10nm2m=(10nm)m2m=10n2m2n=10n2n2mn=5nとなる。しかし、同式の左辺は偶数、右辺は奇数であるから、同等式は成立しない。(mn=0, n=0 であれば、左辺・右辺ともに1 となり成立するが、n は正の整数であるから、その余地はない。)よって、log102 は、整数 m, n を用いて、nm の形で表し得る数(有理数)ではない。すなわち、無理数である。

p19 計算技能問題3

cosθ+sinθ=12(cosθ+sinθ)2=(12)2cos2θ+2cosθsinθ+sin2θ=141+2cosθsinθ=142cosθsinθ=34cosθsinθ=38

p19 計算技能問題5

tanθ=tanθ2+tanθ21tanθ2tanθ2=t+t1tt=2t1t2
よって、θ を含む三角形の各辺の関係は、以下の図のようになる。
sinθ=2t(2t)2+(1t2)2=2t4t2+t42t2+1=2tt4+2t2+1=2t(t2+1)2=2tt2+1同様にして、cosθ=1t2(2t)2+(1t2)2=1t21+t2

p20 楕円の方程式



p20 例1

r=11+cosθr(1+cosθ)=1r+rcosθ=1r=1rcosθr=1xr2=(1x)2他方で、x2+y2=(rcosθ)2+(rcosθ)2=r2(cos2θ+sin2θ)=r2よって、(1x)2=x2+y212x+x2=x2+y212x=y22x=y21x=12y2+12となる。これは、点(12, 0)を通るx軸に上に突の放物線である。

p21 例2


回転座標系の変換式の導出について
(参考:高校物理の備忘録 https://physnotes.jp/mechanics/2d_rot_cor/

p21 例3


だ円の媒介変数表示について

p21 例3(直交する二直線)


二直線が直交する場合、各々の方向ベクトルも直交するから、方向ベクトルの内積は 0 である。よって、{a1x+b1y=0a2x+b2y=0すなわち、{y=a1b1xy=a2b2xが直交するとき、方向ベクトル (b1,a1), (b2,a2) について、その内積が0 となるから、b1b2+(a1)(a2)=0b1b2+a1a2=0a1a2=b1b2a2=b1b2a1となる。これを上記第2式に代入すると、a2x+b2y=0b1b2a1x+b2y=0b1a1x+y=0b1x+a1y=0b1xa1y=0となる。よって、二直線{ax+by=0bxay=0は直交する。例えば、二直線{2x+5y=05x2y=0は、各々、傾きが 25, 52 の直線であり、以下のように直交する。

交点の座標は、上記連立方程式を解いた解であり、(0,0) となる。
切片定数がついた場合でも、同様であり、例えば、二直線{2x+5y+3=05x2y7=0は、以下のように直交する。

交点の座標は、上記連立方程式を解いた解であり、(1,1) となる。

p21 例3(ある直線に垂直で、かつ、特定の点を通る直線)


いま、ax+by+c=0に垂直な直線として、bxay=0が考えられる。
同直線が点(x0, y0) を通るとき、同式は、b(xx0)a(yy0)=0となる。なお、両直線の交点の座標は、連立方程式{ax+by+c=0b(xx0)a(yy0)=0x, y について解くことで得られる。

p21 例3(接線に引いた垂線の交点 H の座標)


接線の方程式は、cosθax+sinθby1=0であり、同接線に垂直で、かつ、点(c, 0)を通る直線は、sinθb(xc)cosθa(y0)=0であるから、両直線の交点 H の座標 (x, y) は、両式を連立方程式{cosθax+sinθby1=0sinθb(xc)cosθa(y0)=0としたときの解として得られる。第1式を変形すると、cosθax+sinθby=1bcosθ x+asinθ y=abとなり、第2式を変形すると、sinθbxcosθay=cbsinθasinθ xbcosθ y=acsinθとなるので、連立方程式は、{bcosθ x+asinθ y=abasinθ xbcosθ y=acsinθとなる。
これを、(x, y) について解くために、行列形式で表わすと、(bcosθasinθasinθbcosθ)(xy)=(abacsinθ)となる。
両辺に左から、逆行列を乗ずると、(xy)=1b2cos2θa2sin2θ(bcosθasinθasinθbcosθ)(abacsinθ)=1b2cos2θ+a2sin2θ(bcosθasinθasinθbcosθ)(abacsinθ)=1b2cos2θ+a2sin2θ(ab2cosθ+a2csin2θa2bsinθabcsinθcosθ)=1a2sin2θ+b2cos2θ(a(b2cosθ+acsin2θ)absinθ(accosθ))となるので、
交点Hの座標 (x, y) が、x=a(b2cosθ+acsin2θ)a2sin2θ+b2cos2θy=absinθ(accosθ)a2sin2θ+b2cos2θとして求められた。

p21 例3( H の軌跡が円となることの証明)


点Hの座標(x, y) について、x2+y2=(a(b2cosθ+acsin2θ)a2sin2θ+b2cos2θ)2+(absinθ(accosθ)a2sin2θ+b2cos2θ)2=a2(b4cos2θ+2ab2ccosθsin2θ+a2c2sin4θ)(a2sin2θ+b2cos2θ)2+a2b2sin2θ(a22accosθ+c2cos2θ)(a2sin2θ+b2cos2θ)2=a2b4cos2θ+2a3b2ccosθsin2θ+a4c2sin4θ(a2sin2θ+b2cos2θ)2+a4b2sin2θ2a3b2ccosθsin2θ+a2b2c2sin2θcos2θ(a2sin2θ+b2cos2θ)2=a2b4cos2θ+a4c2sin4θ+a4b2sin2θ+a2b2c2sin2θcos2θ(a2sin2θ+b2cos2θ)2=a2b2(b2cos2θ+a2sin2θ)+a2c2sin2θ(a2sin2θ+b2cos2θ)(a2sin2θ+b2cos2θ)2=a2b2+a2c2sin2θa2sin2θ+b2cos2θ=a2(b2+c2sin2θ)a2sin2θ+b2cos2θとなるところ、c2=a2b2を代入すると、与式は、=a2(b2+(a2b2)sin2θ)a2sin2θ+b2cos2θ=a2(b2+a2sin2θb2sin2θ)a2sin2θ+b2cos2θ=a2(a2sin2θ+b2(1sin2θ))a2sin2θ+b2cos2θ=a2(a2sin2θ+b2cos2θ)a2sin2θ+b2cos2θ=a2となる。
すなわち、x2+y2=a2となる。
これは、原点(0, 0) を中心とする半径a の円を表している。

p21 例4

cos2t=11+tan2tの関係を式変形に用いている。同式の証明は、以下のとおり。cos2t+sin2t=1(1+sin2tcos2t)cos2t=1(1+tan2t)cos2t=1cos2t=11+tan2t