エッセンシャルテキスト 光学(第4章~)

左貝潤一著「エッセンシャルテキスト 光学」森北出版社(2019.7)
www.amazon.co.jp/dp/4627776314


読後メモ(行間の補充等)

第4章 屈折・反射の波動論 

p50 無損失媒質中の電界の発散

無損失(ρ=0)の媒質中の電束密度Dについて、マクスウェル方程式(4.1c)より、divD=ρdivD=0div εε0E=0divE=0

p50 媒質中の電磁波の波動方程式

×(×E)=εμε0μ02Et2=1v22Et2ここで、ベクトル公式×(×  )=grad div2を左辺に用いると、grad divE2E=1v22Et2grad 02E=1v22Et20=2E1v22Et2が得られる(式4.6a右部分)v=cnを代入すると、0=2En2c22Et2も得られる(式4.6a左部分)。

P50 ベクトル公式

ベクトル公式 ×(×  )=grad div2 の証明
電界Eを成分表示したE=(ExEyEz)について、回転rot=×) の定義に従い展開すると、
×E=(xyx)×(ExEyEz)=(EzyEyzExzEzxEyxExy)よって、左辺は、×(×E)=(xyx)×(EzyEyzExzEzxEyxExy)=(y(EyxExy)z(ExzEzx)z(EzyEyz)x(EyxExy)x(ExzEzx)y(EzyEyz))=(2Eyy x2Exy22Exz2+2Ezz x2Ezz y2Eyz22Eyx2+2Ezx y2Exx z2Ezx22Ezy2+2Eyy z)となる。他方で、右辺の第1項を見るに、発散div=) の定義に従いdivEを展開すると、divE=(xyx)(ExEyEz)=Exx+Eyy+Ezzとなるから、その勾配grad=)は、grad divE=(xyx)(Exx+Eyy+Ezz)=(x(Exx+Eyy+Ezz)y(Exx+Eyy+Ezz)x(Exx+Eyy+Ezz))=(2Exx+2Eyx y+2Ezx z2Exy x+2Eyy2+2Ezy z2Exz x+2Eyz y+2Ezz2)また、右辺の第2項を見るに、ラプラシアン (=2) の定義に従い2Eを展開すると、2E=(ExEyEz)(2x2+2y2+2z2)=(Ex(2x2+2y2+2z2)Ey(2x2+2y2+2z2)Ez(2x2+2y2+2z2))=(2Exx2+2Exy2+2Exz22Eyx2+2Eyy2+2Eyz22Ezx2+2Ezy2+2Ezz2)よって、右辺は、grad divE2E=(2Exx2+2Eyx y+2Ezx z2Exy x+2Eyy2+2Ezy z2Exz x+2Eyz y+2Ezz2)(2Exx2+2Exy2+2Exz22Eyx2+2Eyy2+2Eyz22Ezx2+2Ezy2+2Ezz2)=(2Eyx y+2Ezx z2Exy22Exz22Exy x+2Ezy z2Eyx22Eyz22Exz x+2Eyz y2Ezx22Ezy2)左辺と右辺の各要素を比較すると一致するので、×(×E)=grad divE2Eが成立する。
p50 媒質が非磁性のときの屈折率
屈折率nは、n=cv=1ε0μ01εε0μμ0=εε0μμ0ε0μ0=εμ非磁性のとき、μ=1なので、n=ε

p51 波形

波形Ψの導出
(web 付録A1 https://www.morikita.co.jp/exclusive/download/2143
式4.6a をEについて解く。
ここで、Eが、時間tに関する関数T(t)と位置rに関する関数U(r)の積であると仮定のうえ、解が求められるかを探る。E=T(t)U(r)
を式4.6a に代入すると2E1v22Et2=02(T(t)U(r))1v22 T(t)U(r)t2=0空間座標(x,y,z)の演算子2=2x2+2y2+2z2との関係でT(t)は定数であるから、2(T(t)U(r))=T(t)2U(r)であり、時間微分2t2との関係でU(r)は定数であるから、2 T(t)U(r)t2=U(r)2T(t)t2であるから、与式は、T(t)2U(r)1v2U(r)2T(t)t2=0となるので、両辺をT(t)U(r)で除すれば、2U(r)U(r)1v21T(t)2T(t)t2=01v21T(t)2T(t)t2=2U(r)U(r)1T(t)2T(t)t2=v22U(r)U(r)1T(t)2T(t)t2=(cn)22U(r)U(r)となり、式(A.1.1)が得られる。同式の左辺はtの関数であり、右辺はrの関数であり、独立に変化し得るものであるところ、時間と位置の独立変動に関わらず常に等式が成立するということは、両辺がともにある定数となることを示す。よって、この定数をω2として置き、1T(t)2T(t)t2=ω2=(cn)22U(r)U(r)左辺と右辺とを分離すると、1T(t)2T(t)t2=ω2及び(cn)22U(r)U(r)=ω2が得られる。第1式を変形すると、1T(t)2T(t)t2=ω22T(t)t2=ω2T(t)2T(t)t2+ω2T(t)=0となり、式(A.1.2a)が得られ、第2式を変形すると、(cn)22U(r)U(r)=ω22U(r)=ω2(nc)2U(r)2U(r)=(nωc)2U(r)2U(r)+(nωc)2U(r)=0となり、式(A.1.2b)が得られる。
式(A.1.2a)をT(t)について解くため、定理(微分方程式の解)を用いる。すなわち、微分方程式ad2x(t)dt2+bdx(t)dt+cx(t)=0の解は、x(t)=eptで現わすことができるところ、同定理を前提にすると、解eptを微分方程式に代入すれば式が成立する筈だから、ad2eptdt2+bdeptdt+cept=0addtpept+bpept+cept=0ap2ept+bpept+cept=0ept(ap2+bp+c)=0となり、ept0を踏まえると、ap2+bp+c=0すなわち、p=b±b24ac2aとなる。
これを、式(4.1.2a)について適用すると、解は、T(t)=ept=exp[pt]=exp[0±024×1×ω22×1t]=exp[±4ω22t]=exp[±2ω12t]=exp[±iωt]と求められる。
次に、式(A.1.2b)をU(r)について解く。角周波数ω、屈折率nの媒質中の波数k・光速度v、真空中の波数k0・光速度cは、k=nk0=nωcであることを参考に(分離定数ω2におけるωと角周波数ωが一致することは結果的に判明する)、式(A.1.2b)中のnωc|k|と置くことにすると、2U+(nωc)2=02U+|k|2U=0となる。これを、x軸方向の一次元での要素にのみ着目して表現してみると、2Uxx2+|kx|2Ux=0となる。これは、式(A.1.2a)と同型であるから、その解も、Ux=exp[±ikxx]である。元の三次元での式に表現しなおすと、U=exp[±ikr]となる。これらの解は、特解であるから、電界振幅をEとすれば、電界は、E=ETU=Eexp[±iωt]×exp[±ikr]=Eexp[iωt±ikr]となる。同様に、磁界についても、H=Hexp[iωt±ikr]となり、式(4.8)が得られた。

p51 電界の境界面

電界Eの境界面に対する接線成分が連続
p52のとおり、座標を設定すると、E1z=E2zの趣旨(境界を挟んだ媒質1側と媒質2側とで数値が同じとの意味)。
境界条件が成り立つ理由→https://eman-physics.net/electromag/fresnel.html(EMANの物理学)。

p53 垂直成分 S の振幅反射率と振幅透過率

垂直成分Sの振幅反射率rSと振幅透過率tS
式(A.2.5a)より、AiS+ArS=AtS1+ArSAiS=AtSAiS1+rs=tstsrs=1となり、式(4.14)が得られる。

p53 式4.17

exp(±iπ)
オイラーの公式より、eiax=cos(aθ)+i sin(aθ)であるところ、a=1θ=±πであるとき、e±iπ=cos(±π)+i sin(±π)=1+i0=1

p54 図4.3

平行成分Pの振幅反射率rPの入射角θi依存性
スネルの法則より、n1sinθi=n2sinθtn1n2sinθi=sinθt(n1n2sinθi)2=sin2θt(n1n2sinθi)2=1cos2θtcos2θt=1(n1n2sinθi)2cosθt=1(n1n2sinθi)2であるので、これを式(4.12a)に用いると、rp=n2cosθin1cosθtn2cosθi+n1cosθt=n2cosθin11(n1n2sinθi)2n2cosθi+n11(n1n2sinθi)2となる。
p54の設例n1=1, n2=1.5の場合、計算結果は以下のようになり、

これをグラフ化すると、以下のようになる。

p55 高屈折率媒質から低屈折率媒質への伝播

n1=1.5, n2=1.0の場合、計算結果及びグラフは以下のようになる。

 

p55 偏光角(Brewster 角)

振幅反射率rP0となるのは、rP=tan(θiθt)tan(θi+θt)において、分子が0となるか分母が無限大に発散する場合のいずれかであるところ、分子側の条件については、tan(θiθt)=0θiθt=0θi=θtとなる。この場合、sinθi=sinθtが成立すべきことになるが、同等式が成立するのは、スネルの法則n1sinθi=n2sinθtを踏まえると、n1=n2すなわち、同一屈折率間における光の進行の場面に限られることになる。これは、異なる屈折率の媒質間における屈折、反射を検討している題意からは不適。そこで、分母側の条件をみるに、tan(θi+θt)=θi+θt=π2が条件となる。

p56 屈折率

Brewster 角θBと屈折率n
振幅反射率rP0となるときの入射角θiを、θBと表記すると、以下の式が成立するから、{0=n2cosθBn1cosθtn2cosθB+n1cosθtθt=π2θB第2式を第1式に代入すると、0=n2cosθBn1cosθtn2cosθB+n1cosθt0=n2cosθBn1cos(π2θB)n2cosθB+n1cos(π2θB)0=n2cosθBn1cos(π2θB)n1cos(π2θB)=n2cosθBn1sinθB=n2cosθBsinθBcosθB=n2n1tanθB=n2n1θB=tan1n2n1となり、式(4.19)が得られる。