エッセンシャルテキスト 光学(第1~第3章)
左貝潤一著「エッセンシャルテキスト 光学」森北出版社(2019.7)
www.amazon.co.jp/dp/4627776314
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読後メモ(行間の補充等)
第1章 光学の基礎事項
p1 波数と角波数
波数 、角波数
、点Aの位置ベクトルを 、点Bの位置ベクトルを 、この位置ベクトルの変化を とすると、 よって、 この点AからBへの変化が光線の経路上で起きる場合の光線に沿った点Aと点Bとの間の幾何学的距離を 、点Aにおける光線の単位ベクトル(光線の方向を示す大きさ1のベクトル)を とすると、 よって、 の方向余弦成分(x,y,z要素)を用いれば、
は単位ベクトルであるから、方向余弦成分として、 となる を用いて、 と現わすこともできる。
から、 であり、更に変形をすると、
(正)
の空中から、入射角 で、多数被膜を通過する場合における最終層の屈折角 を求める。第1層の屈折率を 、第2層の屈折率を 、…第 層の屈折率を 、第 層(最終層)の屈折率を とした場合、被膜層厚さが十分に小さい場合、各層は平行平面とみなせるので、各層での屈折角は次層への入射角に等しくなる。これらを順に、 として各層境界面でスネルの法則を適用すると、 となるので、結局、 と整理される。
よって、最初の層での入射角 、最初の層の屈折率 、最終層の屈折率 のみで、最終層からの屈折角 は求められる。
を位置ベクトル で定まる屈折率、光線の単位ベクトルを とすると、
ここで、閉曲線Cで囲まれた曲面Sについてベクトルの回転(rot)を面積分したものと、閉曲線Cに従ってベクトルを線積分したものとが等しいというストークスの定理 をベクトルである に用いると、
スネルの法則 即ち を 式に代入すると となる。最小偏角 は、この式の極値が候補となるから、 となるような条件( の値)を求めてみる。 ここで、 の微分公式 を用いると、与式のうち の部分は、 また、与式のうち の部分は、 となるので、結局、与式は、 となる。この方程式の分母どおし、分子どおしを比較すると、 であれば、方程式が満たされる。よって、 がこの方程式の解となる( が極値をとるための条件)。このとき、 であり、スネルの法則より、 となり、 が成立し、最小偏角 は、 となる(屈折率nが既知のとき頂角αのプリズムで最小偏角 を求める式)。
最小偏角 で、入射角を表現すれば、 となる。
逆に、頂角αのプリズムを入射光線に対して回転させて最小偏角 を測定すれば、以下のとおり、プリズムの材質の屈折率nを求めることができる(最小偏角法)。
に関して、 が成立することから、微小角 について、 と近似できる。この場合、空気から媒質(屈折率n)への光線入射にかかるスネルの法則は、入射角を 、屈折角を として、 と近似できる。出射角も同様に である。この場合(入射角 及び出射角 が微小の場合。なお、 なので、 も微小角である)、空気中のプリズムの偏角 は、 と近似できる。
、後側焦点距離 、像の位置 として、
よって、
これを、p29図3.3の三角形APOに適用すると、 対応する値を入れると、 から、 を得る。左辺と右辺から、 ここで、近軸光線近似として、 を用いると、与式は、
ここで、 や は微小角なので、 かつ である。また、 であるから、 も微小角なので、 これらの合計である や も微小角と言えるから、 かつ となるので、冒頭のスネルの法則の適用結果は、以下のように近似できる。 ここで、 かつ であるから、 かつ を上記式に各々代入して、 との近似結果を得る(屈折率 と光線方向余弦 との積の屈折面における変換則)。
近軸光線では、p29図3.2において、 同様に、 なので、
なお、横倍率と角倍率の積は、レンズ前後の屈折率の比に等しく(p34式3.35) なので、
なので、焦点位置は、
、 )ので、 また、レンズは空気中にあるので、 これを式3.46 に代入すると から、 が得られる。よって、薄肉レンズのシステム行列は、
についての公式3.60 の両辺を波長 で微分することを考える(変数は の入れ子構造)。
逆数の微分の公式 より、 ここで、右辺の の中身を考えると、( を と簡略表記して) よって、 を と簡略表記していたのを戻すと、右辺の の中身は、 である。従って、色収差 について、以下の式が成立する。
を式3.60 及び式3.63に用いると、以下の式が得られる。 第2式より、 となるので、これを第1式に用いると、 第2式より、
とおくと、 となる。
よって、
と準線 からの距離が等しい点の軌跡であるところ、放物線の形状を仮に、 と置いた場合、原点 と焦点 との間の距離は であり、原点 と準線 すなわち への垂線距離も である。ここで、 のときの放物線上の対応点を とすると、点 は 軸から だけ離れているので、 軸から更に だけ離れた準線 との距離は、 となり、放物線の定義から、点 と焦点 との距離も である。よって、点 の座標は、 となる。これを に代入して、 したがって、放物線の方程式は、
p8 光線の単位ベクトル
位置ベクトルをp8 アイコナール
アイコナール
光路長 は、空間上の位置によって値が異なるスカラー値であるから、位置ベクトルを とすると、 と表現できる。
いま、同じ光路長C を持つ空間上の各点 を グラフ上に集めると三次元上の曲面となる。これは、特定の光路長(光源からの光路長が同じ場合、波動の位相値も等しい) に対応した電磁波の波面Cであるが、他の特定の光路長 の集団についても、同様に対応する波面Cを考えることができるので、結局、光路長 の等位面として 対応する各波面 を(x,y,z)座標で表すことができる。
光路長
いま、同じ光路長C
p8 波面の法線
波面の法線
空間上の位置によって値が異なるスカラー値たる光路長 について、空間内の変化率(勾配) と波面Cとの関係を考える。
波面Cに微小距離だけ離れた二つの点を考えると、両点を結ぶ直線ベクトル は、波面Cの接線となる。両ベクトルの内積を計算すると、 となる。 は、具体的には、両点間における の変化量を意味するが、両点は、いずれも波面C上の点なのであるから、 の値に変動はない。よって、 の値は、0である。従って、この内積の値も0となるので、 と変形できる。すなわち、 は、波面Cの接線 と垂直の関係にある。そして、波面Cの接線 は、波面Cの接面上で360度どの方向にも想定できるから、結局、 は、波面Cに対して垂直な方向を示すベクトルであると言える。
なお、同ベクトルを同ベクトルの絶対値で除すると、大きさが1のベクトル(単位ベクトル)となるところ、これは光線の方向(波面Cに垂直)を示す大きさ1のベクトルと等しいから となる。
波面Cに微小距離だけ離れた二つの点を考えると、両点を結ぶ直線ベクトル
なお、同ベクトルを同ベクトルの絶対値で除すると、大きさが1のベクトル(単位ベクトル)となるところ、これは光線の方向(波面Cに垂直)を示す大きさ1のベクトルと等しいから
p8 アイコナール方程式
アイコナール方程式
光線上の点A及び点Bとの間の光路長(光学的距離)の差を とし、点Aと光線上にない点C(点Bから微小距離離れた点)との光路長の差を とした場合の両者の差 は、 に等しい。 他方で、点Bと点Cとの距離差は微小であること(=点Bや点Cが、点Aからは相対的に十分に遠い距離に位置すること)を考えると、線分ABと線分ACとは平行であり、また、点Bの属する波面と点Cの属する波面とは平行であると近似できる。この場合、光線ABが属する直線と点Cが属する波面の交点をDとすれば、点B、C、Dの組合せからなる各線分は、幾何学的に、以下の関係にある( は両線分のなす角度)。 これを光路長に置き換えると、屈折率をn として、 ベクトルとその内積で左辺を表記すると、 右辺を光路長 の差分として表現すると、 いま、点Bと点Cとの距離差は微小であることを前提とするので、 を 、 を で表現しなおすと、 ベクトル部分について、成分表示 に置き換えたうえで、内積を演算すると、 が得られる。
この式を、各々、 にて偏微分すると、 となるので、各々を二乗して合計した値は、 が単位ベクトルであることを踏まえれば 左辺を勾配(grad)で表現し、右辺の屈折率nが位置ベクトル の関数であることを踏まえて表現すると、 が得られる。
両辺をsで微分すると、
、角波数 )の時刻t、位置zの瞬時振幅(電界) 、 進行波2(最大振幅(電界)A、角速度 、角波数 )の時刻t、位置zの瞬時振幅(電界) 、 の合成波Uの瞬時振幅は、 となるところ、三角関数の公式 を用いると、 となり、波長の異なる二種類の波の積の形に変形できる。
波1の波長を 、波2の波長を とすると、 であり、合成波を構成する二種類の波のうち波長の長い方(包絡線)の波長 は、 となる(p11図1.6の包絡線の矢印間は半波長)。
光線上の点A及び点Bとの間の光路長(光学的距離)の差を
この式を、各々、
p8 光線方程式
p11 合成波
進行波1(最大振幅(電界)A、角速度波1の波長を
p12 群速度
群速度
一般に波速度 、波長 、振動数(周波数) 、角波数 、角速度 との間には、 の関係があるところ、p11の式(1.26) のうち、 の部分が包絡線の要素であるから、同部分の速度(群速度)は、 となる。ここで、平均値として、 を考えると、ロピタルの定理 より、 や が微小である場合には、 であるから、 は、 となる。
これを前提に、周波数 によって屈折率nが変化する媒質中における群速度を検討すると、 となる(式中の は平均値)。
これを前提に、周波数
p12 位相速度
位相速度
式(1.26) のうち、 の部分が包絡線内部の周期的変化を示す要素であるから、同部分の速度(位相速度)は、 となる。
p12 群速度と位相速度の関係
群速度 と位相速度 の関係
第2章 屈折と反射
p16 反射の法則
(誤)(正)
p17 多層被膜の屈折角
光線が、屈折率よって、最初の層での入射角
p19 マリュスの定理(ラグランジュの積分不変量)
p21 プリズムの偏角
プリズムの偏角\(\delta\)
入射光線と出射光線との交点をDとすると、P21図の三角形DBCにおいて、 であるから、 となり、三角形ABCにおいて、、 であるから、 となるので、偏角 は、 とまとめられる。
入射光線と出射光線との交点をDとすると、P21図の三角形DBCにおいて、
p21 最小偏角
最小偏角
スネルの法則
最小偏角
逆に、頂角αのプリズムを入射光線に対して回転させて最小偏角
p22 入射角等が微小の場合の近似
ラジアン角p23 ガウスのレンズ公式
物体位置第3章 屈折・反射を用いた結像作用
p29 単一球面での屈折(式3.14)
p29図3.3において、三角形の内角と外角の関係から、以下の二式が成立する。p29 正弦定理
一般に三角形(頂点A,B,C。各頂点の対辺a,b,c)において、外接円の半径をRとすると、以下の等式が成り立つ(正弦定理)。p36 行列法での基本式
球面上の光線入射点での接平面におけるスネルの法則から、p36 屈折行列
屈折行列
レンズ光軸を 軸、光軸からの距離を 、光線が 軸となす角を 、屈折率を とした場合、曲率半径 の屈折面前後での基底ベクトル(光軸距離、伝播方向)について、 であり、屈折面前後で、光軸からの距離が不変であること(行列1行目) また、屈折率 と光線方向余弦 との積 にかかる変換則(行列2行目) が行列法で再現記述されている。
レンズ光軸を
p36 転送行列
転送行列
曲面間の光線伝播の際の光軸からの距離 について、光軸上の球面間隔を とすると、以下の近似式が成立しているところ、 転送行列 を用いた記述法でも、
となるところ、2曲面間では屈折率に変動はなく( )、また、光線の 軸角度にも変動がないこと( )を踏まえると、行列1行目は、 となり、上記近似式が再現記述されている(行列2行目は左辺・右辺ともに となり常に成立)。
の行列式の値は、 転送行列 の行列式の値は、 一般に、正方行列 と の積 の行列式は各行列の行列式の積に等しい から、システム行列 の行列式についても となる。
における行列 において、システム行列 の行列式の値は1であり、転送行列 と の行列式の値も計算をするといずれも1であるから、 の行列式の値も1となり、
p37 システム行列の行列式
屈折行列p38 物体から像までの光線伝播式
p38 横倍率
横倍率
式3.43 を展開した行列の1行目は、 であるので、横倍率 は、 となる。ここで、、 の行列式の値が1であることから、 であるので、 よって、
式3.43 を展開した行列の1行目は、
p39 角倍率
角倍率
なお、横倍率と角倍率の積は、レンズ前後の屈折率の比に等しく(p34式3.35)
p40 焦点位置
式3.52 より、p41 薄肉レンズのシステム行列
主点とレンズ頂点が一致する(p37図3.7 でp42 色収差
合成系の後側焦点距離逆数の微分の公式