量子コンピュータ―超並列計算のからくり

竹内繁樹著「量子コンピュータ―超並列計算のからくり」講談社 (2005/2/18)
https://www.amazon.co.jp/dp/4062574691/

量子計算、光の波動・量子性、偏光・干渉・位相差、半透鏡、確率波、重ね合わせ状態を用いた並列処理、現在のコンピュータの仕組み、量子ビット、量子ゲート(回転、Hadamard、制御ノット)、足し算量子回路、量子アルゴリズム(Deutsch–Jozsa、Grover)、Shor のアルゴリズム(ユークリッドの互除法、量子フーリエ変換回路)、光子による量子計算、電子スピンによる量子計算、NMR量子計算、シリコン量子型・超電導量子型、位相緩和(デコヒーレンス)・縦緩和、量子誤り訂正符号、量子暗号・量子鍵配布などを扱う。


以下、読後の備忘録。


第1章 量子計算でできること

第2章 量子とはなにか

第3章 量子の不思議

第4章 量子を使った計算機


p104 存在確率が1となることについて




p107 量子ビットの数式による表記方法

経路長が等しい場合(a)
経路差が波長の半分の場合(b)




p115 アダマール(Hadamard)ゲート

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%80%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%A4%89%E6%8F%9B?fbclid=IwAR0VTF5PP1ropyViPScBQ6lS4oJ9Rbkehdcmf9t8PnelKnYmCAZXbNIvqz0#%E3%82%A2%E3%83%80%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%88

第5章 量子アルゴリズム


p157 ユークリッドの互除法

\[208=117×1+91\] 
において、117と91の公約数は、117×1と91の和である208も割り切ることができる。すなわち、同公約数は、208と117の公約数でもある。逆もしかり(208と117の公約数は、208-117×1すなわち91も割り切ることができるので、117と91の公約数でもある)。よって、208と117の公約数は、117と91の公約数と同じ集合となる。このため、208と117の(最大)公約数を求めるには、より簡単な、117と91の(最大)公約数を求めれば足りる。
\[117=91×1+26\]

においても、同様に、117と91の(最大)公約数を求めるには、より簡単な、91と26の(最大)公約数を求めれば足りる。
以下、同様に処理をしていくと、
\[91=26×3+13\]
\[26=13×2+0\]

となるので、結局、208と117の(最大)公約数を求めるには、最も簡単な、26と13の(最大)公約数を求めれば足り、同数値は手計算により、13と求められる。実際、
\[208=13×4×4\]
\[117=13×3×3\]
であり、確かに13が最大公約数である。


p162 図5.15

実際のグラフは、本Excel計算のとおり。


p170 ※

\(a_1=0\) のとき、\(exp(iπa_1)=exp(0)=1\)
\(a_1=1\) のとき、\(exp(iπa_1)=exp(iπ)=-1\) (オイラーの定理)



p170 ①

\(a_1=0\) のとき、|0>+|1>
\(a_1=1\) のとき、|0>-|1>
いずれも、\(\frac{1}{\sqrt{2}}\) を乗ずる必要はないか?(p142参照)


p170 ②

\(a_0=0\) のとき、\(exp\) 内は変化なし
\(a_0=1\) のとき、\(exp\) 内は\((+\frac{iπ}{2})\) だけ変化



第6章 実現にむけた挑戦

p196 図解

対応論文「線形工学素子を用いた量子計算アルゴリズムの実現」
https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/handle/2115/8390



第7章 量子コンピュータの周辺に広がる世界と量子暗号



【説明が割愛されている主な項目】


・経路長不明のときにも、重ね合わせ状態の崩壊が起きるメカニズム(p75)
・光をあてないで観測する方法(p78)
・量子もつれあいの数式証明(p119~p120)
・量子もつれあいによる量子ビット列出力の例(p120)
・折り返し量子回路のゲート実装例(p153)
・グローバー量子回路で不正解結果が出得るメカニズム(p154)
・ショアのアルゴリズムで、\((x^{\frac{r}{2}}+1)(x^{\frac{r}{2}}-1)=Nk\) の左辺項のいずれかと、Nとが公約数を持つ理由(p160)
・\(x^{r+2} mod N = x^2 mod N\) の理由(p162)
・波数3のときも、Σ(振幅×データ値)=0 となる理由(p165)
・確率振幅のフーリエ変換のメカニズム(p168)
・|b> の展開計算(p170)
・\(x^y mod N\) を量子レジスタ|b> に代入するゲート構成例(p174)
・λ とr とが互いに素である確率(p176)
・関数 f(i) の内容(p196)
・検出確率P の導出(p196)
・量子ブラックボックス(電気光学素子)の仕組み(p197)
・半透鏡による干渉がアダマールゲート操作に相当する理由(p198, 69)
・中間電位の時間により、回転ゲート操作をおこなえる理由(p217)
・実量子ビットが16項で構成される理由(p226)
・エラー検出と補正の仕組み(p227)
・複製禁止定理の根拠(p249は循環論法のため不適)
・量子中継の原理(p257)