新民法536条2項(雇用契約に基づく未労働分の賃金請求)
新民法536条 当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。
2 債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない。この場合において、債務者は、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。
労働者が、労働期間の中途以降、労働をできなかった場合に、労働をしていない分の賃金については、使用者に請求することができないのが原則である。
しかし、使用者の責めに帰すべき事由によって労働をすることができなかったときには、新民法536条2項により、労働債務の債権者たる使用者は、反対給付たる賃金支払いの履行を拒むことができないから、これを未稼働中の報酬請求権の具体的発生根拠と考えることができる。
この場合の請求原因及び抗弁は、新民法536条2項によれば、以下のとおりである。

この点、履行拒絶の抗弁権をYが主張するか否かはYの意思にゆだねられていることを重視し、一旦は、Yから履行拒絶の抗弁が主張されるか否かを確認し、そのうえで、なお、履行拒絶の抗弁が出されるようであれば、再抗弁において、新民法536条2項の事由をXに主張させれば良いとする見解もある。同見解の請求原因、抗弁等は、以下のとおりである。

なお、再抗弁のうち「Xの就労意思及と能力」については、上記考え方とは別の理由(下級審判例で要件として必要との見解に立つものがある)により追加されたものである。
2 債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない。この場合において、債務者は、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。
労働者が、労働期間の中途以降、労働をできなかった場合に、労働をしていない分の賃金については、使用者に請求することができないのが原則である。
しかし、使用者の責めに帰すべき事由によって労働をすることができなかったときには、新民法536条2項により、労働債務の債権者たる使用者は、反対給付たる賃金支払いの履行を拒むことができないから、これを未稼働中の報酬請求権の具体的発生根拠と考えることができる。
この場合の請求原因及び抗弁は、新民法536条2項によれば、以下のとおりである。

この点、履行拒絶の抗弁権をYが主張するか否かはYの意思にゆだねられていることを重視し、一旦は、Yから履行拒絶の抗弁が主張されるか否かを確認し、そのうえで、なお、履行拒絶の抗弁が出されるようであれば、再抗弁において、新民法536条2項の事由をXに主張させれば良いとする見解もある。同見解の請求原因、抗弁等は、以下のとおりである。

なお、再抗弁のうち「Xの就労意思及と能力」については、上記考え方とは別の理由(下級審判例で要件として必要との見解に立つものがある)により追加されたものである。